Aちゃんへ
すてきな秋の風景をありがとう。
東京はずっと夏の続きみたいな気温が続いてたのが急に寒くなったなと思ったら、また暑くなったりで、今が何月かわからなくなりそう。
そんな中でも、イチョウの木はちゃんと忠実に季節を守ってて、9月に入った頃からギンナンの匂いだけが秋の訪れを感じさせてくれています。東京ってなんでこんなあちこちにギンナン植えてるんだろうね…。
コスモスって儚げなイメージがあったけど、キバナコスモスで調べてみたら、確かにピンクのとかよりしっかりした感じ。
「野性的な美しさ」、「自然美」、かっこいいね。
久しぶりに何かをかっこいいと思ったかも。
私も、自然の美しさも、人が作り出した美しさも、どっちも好き。なんか、年々、美しいと思うものが増えてきてる。きっと、大人になったってことなんだろうね(笑)。
この間、山形に旅行したんだけど、レンタカーを借りてドライブしながら見た蔵王の色づき始めた木々や、山並みの下に広がる田畑やあぜ道の何でもない風景が、美しいなぁって。田んぼの風景なんかは人が作り出したものでもあるけど、意図して作り出された美しさじゃないってことで言うと、自然美になるのかな？
私の地元もまあまあ田舎だけど、地元にいるときはそんなこと思わなかったのにね。やっぱり疲れた心に沁みるのかな（笑）。
虫の声も、田畑の風景も、浮世絵も、現代アートも、いいなぁと思えるようになったし、見たときに感じる情報量が年々多くなっていってる。だから、ここ数年、旅行に行くのが楽しいんだよね。
「好きなことして生きていきたい」、そうだよね。
今の仕事は好きなことしたいと思って選んだわけじゃなかったし、実際、好きなことしてるって意識もない。それでも、やってみたら楽しくはあったし、評価されたら嬉しい。
けど、やっぱりどこかで好きなことして生きていくってことに憧れている自分を揺さぶられたような気がしたし、次の仕事も決めずに帰ってきたっていう状況に羨ましさを感じてる。
凪でもいいんじゃないかな、今は。他人事だから言えるのかもしれないけど。凪のときにしか考えられないことがきっとあると思う。
2024年11月1日
Bより
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