「第3回 T-shirts展 – a piece of life」を企画・開催しました。ご参加くださった皆さま、お越しくださった皆さま、ありがとうございました。
第3回 T-shirts展 – a piece of life
丹後ゆかりの12人+2ユニットによるオリジナルTシャツ展
「あなたの“人生のひとコマ”を、Tシャツに表現してください」
こんなコメントを添えて、丹後にゆかりのあるさまざまなジャンルの方々に、オリジナルTシャツの制作を依頼しました。表現の制限はなし。Tシャツをとおした、作家たちの“人生のひとコマ”をお楽しみください。
− 期間
2025年5月31日(土)~6月6日(金)
10:00~18:00
〈オープニングレセプション〉
2025年5月31日(土)
18:00~20:00
− 会場
SPACE ODE(スペースオーデ)
(京都府京丹後市峰山町荒山309-1 株式会社オーデザインチャンネルズ 1F)
− 出展作家
秋音
エグ
荻野祥行
カイサヨコ
コト
Shaggy
switch
田中槙太朗・美貴
谷口実里
knitter-m
noriko ue
平岡紫保
Majomi
やっさん
※五十音順
− 入場料
無料
− 主催
主催:株式会社オーデザインチャンネルズ
企画:川口優子
▽展示風景








▽作家・作品リスト

秋音
遊ぶということの再思考
インクジェット
晩秋の朝
冷たい空気に体が張り、
額に刺さる日差しが解いていく。
土の水を皮膚に纏い、
草の揺れと共振する。
遠くの山音に手を伸ばし、
川元の鳥の声で戻ってくる。
畑に敷いた畳の上で、
緊張と弛緩を繰り返す。

エグ
のをこえ やまこえ たにこえて
熱転写式プリント(Direct To Film プリント)
たのしい たびのゆめ つないでる
車とか飛行機とか幅広い経路ができてなお、線路という軌道、鉄道に浪漫を感じてしまいます。
(『銀河鉄道の夜』とか『三人の旅人たち』とかの世界感も好き。)
この度のTシャツは、2枚ペアで1セットです。
大好きなあいつ、あの子、あの人と、仲良くペアで愛用してください。
〈背面の機関車について〉
1873(明治6)年に世界で最初の機関車製造会社であるイギリスのRobert Stephenson(ロバート・スチーブンソン)社で造られた『2号 蒸気機関車』。
1926(大正15)年に加悦鉄道が譲り受け、加悦鉄道では開業当初から主力機として活躍しました。休車になるまでの83年間の走行距離は1,958,596km(地球を約49周分)、休車となった後も、車歴簿(機関車台帳)と共に国の重要文化財に指定されました。
加悦鉄道(かやてつどう)は京都府与謝郡野田川町(現・与謝野町)の丹後山田駅(現・京都丹後鉄道宮豊線与謝野駅)から、同郡加悦町(現・与謝野町)の加悦駅までを結んでいた私鉄で、廃線後、軌道敷跡はサイクリングロードとして整備されています。

荻野祥行
但馬鸛鵲楼
転写プリント
36年前、初めて大駱駝艦の舞台を観た。舞っている麿さんの姿に、思わず涙したのを覚えています。それ以来、身体表現の世界に惹かれ、大駱駝艦の多くの公演に足を運びました。
6年前、豊岡で大駱駝艦の田村一行さんが住民を巻き込みながら創作活動をしていることを知り、観る側から表現する側へと一歩を踏み出しました。以来、豊岡市民舞踏団の一員として活動を続けています。
そしてこのたび、田村さんから「但馬鸛鵲楼(たじまかんじゃくろう)」という名を授かりました。その名前に感謝を込めて、勝手ながらロゴをデザインしTシャツに仕立てました。
書:野口渓遥

カイサヨコ
H A P P Y I S L A N D
技法−シルクスクリーン
素材−オーガニックコットン
世界はいろんな色であふれている
あなたの H A P P Y I S L A N D はどんな色?

コト
collar T
スムースニット、パワーニット
好きなところから顔を出して、手も出して、
ひとりで着てもいいし、誰かと着ても。

Shaggy
E31
シルクスクリーン
お店で隅に追いやられてたモンステラ2株を連れて帰り、1つに纏め5年育てまして立派になった親株から株分けして大切な人へお裾分けをしています。

switch
屋号
シルクスクリーン 箔
2015年〜シルクスクリーン印刷を用いて“誰かの最高の2番手”になるべく立ち上げた『no.2basement』の活動ロゴを使用しました。
【印刷の技術解説】
箔印刷用の糊インクと、黒の油性インクをグラデーションの様に印刷した後、上から荒く揉み加工した銀箔シートを熱圧着しました。

田中槙太朗・美貴
i can’t remember all
インクジェットプリント
2025.5.26、、、26.556枚
ぼんやりとした衝動から切り撮った瞬間の羅列。
覚えておきたいから撮ったのか、忘れるために撮ったのか。
全部は覚えていない。でも思い出す事はできるかもしれない。

谷口実里
Space Shuttle T-shirt
衣類(全てZOZOUSED)、刺繍糸、ブローチ、安全ピン
「服をどこで買っているんですか?」と、よく聞かれる。
「古着屋さんかな」と答える。
ZOZOUSEDとは、あえて言わない。
ZOZOUSEDで、いいものを安く買う。
お金のなかった学生時代、それは私にとっての至高だった。
今はあの頃より少しだけ余裕を持って服を買えるようになった。
それでも、今もなお私はZOZOUSEDで服を買っている。
2021年、ZOZOTOWNの創業者・前澤友作前社長が宇宙船に乗り込んだ。
私はその様子を、スマホの画面越しに眺めていた。
人間は、月にだって行くことができる。
私はいまも変わらず、ZOZOUSEDで買ったワンピースを、
ここ丹後の地で着ている。
agnes b. のTシャツ。
1,200円のワンピース。
私は今、あの頃より少し高いスカートも買えるようになった。
いつかこの地も変わっていく。
そしていつか、私はこの地を離れていく。
けれど、たとえその“いつか”が来たとしても、私はきっと変わらず、
ZOZOUSEDで服を買い続けるのだろう。
MSGM 半袖ワンピース
¥1,200(ZOZOUSED)
agnes b. 半袖Tシャツ
¥1,200(ZOZOUSED)
miette ボレロ
¥900(ZOZOUSED)
他アーティスト私物(全てZOZOUSED)

knitter-m
最高で最強 M-1GP
毛糸とボタンとビーズ
娘と組んで出たM-1一回戦!
人生のヒトコマといえば??一択でした。
楽しく制作できました。
あと14回挑戦権が残っているので乞うご期待!!
作品にはどんどん手を触れていただいて大丈夫です!

noriko ue
Jump towards tomorrow
シルクスクリーン
年齢や環境、さまざまな理由で諦めず、やろうと思った時が始める時だと常に思い、いろいろなことに挑戦しています。
今回の挑戦は非常に決断を要するものでした。失うものもたくさんあり、築き上げてきたものも手放しました。勇気もたくさん必要でしたし、迷いもありました。しかし、私は挑戦することを選びました。嫌な思いもたくさんしましたが、それを乗り越えて明日へ向かいます。自分へのエールです。
あなたも自分のストーリーを始めてみませんか?
応援いたします!

平岡紫保
古今京丹前後
古布
色褪せたりすり減ってもどうしても手放せない服がある。
それと地域の方から、つかうか?と譲っていただいたかすりの反物を合わせることにしました。
古いも今も、京丹後に来る前も来てから後も繋がっているTシャツ?
並行して譲ってもらった着物を、足踏みミシンがある近所のみなさんのたまり場へ、どーしょーと構想と雰囲気をぶつぶつ言いながら持って行く。
へたくそなりに、なんとか形にしようと取り掛かったのですが、、、
私のやり方を見兼ねたお二人が、
どぅえ〜?貸してみ!やっぱり型紙いるで!と紙をちょきちょき。
そして気づいたら、布もちょきちょき。
結局、ワタシ自力では完成する気配なくなったのでしょう!ステキな着物を不憫に思って下さったそのお一人が、持って帰ってええか?と。
どうされるんだろ、、、まあ任せておこう!
そしたら、ポケットはどうする?どこに付ける?なんて連絡がきて
結局、あっという間に完成させて下さった!
着てみぃ!
ええわなっ!な思い出も完成。
見習って、ワタシもつくってみるのでまた監督してくださいねー!

Majomi
Haaton
シルクスクリーン
『Haaton(ハートン)』登場!
長靴をはいた鳩、みたいなものになってしまった・・・

やっさん
YOISHO
シルクスクリーン
『YOISHO(よいしょ)』
みんなで「よいしょ」、みんなに「よいしょ」
「よいしょ」と声を出す時を思い出してみて下さい。
「よいしょ」と声を出す時は、
何か行動を起こす時
→例)椅子から立ち上がる時、休憩が終わって仕事に向かう時
力をふりしぼる時
→例)もちをつく時、重たいものを引き上げる時
皆で力を合わせる時
→例)神輿を担ぐ時
今、世の中には「よいしょ」が必要だ。
みんなで何かをやってみよう!
行動してみよう!
力を合わせてみよう!
「よいしょ」と声がでることをやると
人が、町が元気になる!
ということで「YOISHO」Tシャツをつくりました。
▽展覧会ステートメント
「おもしろそうだなと思って見に来ました」
これは、昨年のT-shirts展でいただいた言葉です。SNSでこの企画を知り、隣県から来てくださった方もいらっしゃいました。
「Tシャツ展、見に行きます!」
これは、数日前、突然かけてもらった言葉です。企画に興味を持ってくださり、声をかけてくれました。展示を見ながらいろいろ話ができるなぁと想像すると、楽しみでいっぱいです。
Tシャツって、思っている以上に身近な題材なんだと、改めて気付かされました。作家と鑑賞者が対話できる題材。分かりやすさは、見る人のさまざまな想像力を駆り立てます。
表現の可能性は無限大。テーマである“人生のひとコマ”をどう形にするか。T-shirts展は、その可能性を探る行為です。「参加できてよかった」「(作っていて)楽しかった」と言っていただくと、とてもうれしい気持ちになります。
今回も、作家のアイデンティティを纏った「a piece of life」がずらりと並びました。 「どんな作家さんなんだろう」「何をしている方なんだろう」ーそんなことを想像しながら楽しんでいただけたら幸いです。
最後になりましたが、参加してくださった作家のみなさま、ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
表現の制限はなし。 Tシャツをとおした、作家たちの“人生のひとコマ”をお楽しみください。
2025.5.31
企画 川口優子