「第1回 T-shirts展 – a piece of life」を開催しました

「第1回 T-shirts展 – a piece of life」を企画・開催しました。ご参加くださった皆さま、お越しくださった皆さま、ありがとうございました。

第1回 T-shirts展 – a piece of life

丹後ゆかりの8人+1ユニットによるオリジナルTシャツ展

− 期間

2019年5月25日(土)~31日(金)
10:00~18:00

〈オープニングレセプション〉
2019年5月25日(土)
19:00~22:00

− 会場

SPACE ODE(スペースオーデ)
(京都府京丹後市峰山町荒山309-1 株式会社オーデザインチャンネルズ 1F)

− 出展作家

Kiyo
健吾(梅本農場)
斜気/shaggy
戸田ゆかり(nanto!paint)
平井勇太(CRAB WORKS)
藤山亮大(san sui craft)
ベカベッチマイク(田中槙太朗・美貴)
宮北裕美
安田敦美
※五十音順

− 入場料

無料

− 主催

主催:株式会社オーデザインチャンネルズ
企画:川口優子

▽展示風景
▽作家・作品リスト
▽展覧会ステートメント

▽展示風景

▽作家・作品リスト

Kiyo

丹後弁

転写プリント

【意味】久しぶりに会った友達などの近況を聞く際に使う言葉

健吾(梅本農場)

土と人間

アクリルガッシュ

多様な社会の繋がりを描きました。
裏面、黒い斜線の土を境に自然と都市を対比しています。土の上に自然の生態系ができた一方、地中の燃料を元に経済発展した都市。どちらにも恐ろしさと豊かさがあります。表面は2つの世界と共存して育つにんじんを描いてみました。
多様性を受け入れられる自分でありたいですね。

斜気/shaggy

こころのありかたとありか

シルクスクリーン

みえないものをみようとする

戸田ゆかり(nanto!paint)

七姫

シルクスクリーン

海の京都に、発光してとろける夕陽と7人のお姫様Tシャツができた◎
 絵を描くことは、自然の欲求のように言われることもあれば、貴族のあそびみたいにいわれることもある。
どっちもある。
私のお気に入りポイントは、気ままに、いろんなものに、愛着を持てるようになることかもしれない。モチーフを選ぶこと、私の手が加わったこと、描いてるときに考えたこと、作ったものを発表したその先…、もの・こと・ひと と関わるひそかな手段。
 回りくどいほうが、お気に入りの幅が広がって、宝物をひろったりするかもしれない。

平井勇太(CRAB WORKS)

“I’m sorry”

シルクスクリーン

もう帰り道だろうか。

振り返ってみれば、
自分の未熟さは、
他人を傷つけたり、
たくさんご迷惑をおかけしたり、
してきてしまった。

こびりついて離れない失敗の数々は、
ふとした瞬間に脳内で再生が始まって、
自分を戒め続ける。

その後ろめたさが、罪悪感が、
本当にギリギリの線上で、
自分がまだ前に進もうとしていることへの
最後の資格のようなものとして、
僕に罵声を浴びせている。

『ごめんなさい』

まずは、これを言わなければ、
ここから先へは進めない。

その気持ちの上に、
今までの失敗を蒔いておきたい。

この期に及んでも、
自分はわがままな人間だと思うけど、
収穫を目指したいと思う。

時間は減る一方なので、
不完全なまま進もうと思う。

藤山亮大(san sui craft)

Summer climber

materials:
(Tシャツ)ユニクロ クルーネックT WOMAN S 白
(人形)Preiser 登山家たち
(テント)工房に落ちてたケヤキ端材、ダイソー ボタンつけ糸 白
(THE NORTH KYOTOロゴ)サクラ マイネーム ツイン 黒
(タイトル文字、足跡)COPIC ciao Cool Gray No.3
(トルソー)大宮賣神社将棋台製作時に出たヒノキ端材
(支持部)家解体時に出たガス管、福田工務店さんからいただいたクリ端材

ベカベッチマイク(田中槙太朗・美貴)

Techno Barazushi 145bpm

熱転写シート

ぼくたちは「ばらずし」から逃れられない。
ほとんど呪い。詛呪。
生き残る道はTechno musicにのせ 145bpmで
リズムを刻みつづけるしかないぽ。

宮北裕美

“Namioto”

シルクスクリーン

「なみおと」と名付けたTシャツは、丹後の海を想って作られた。ダンスやパフォーマンスは時間を伴うもので二度と同じものをみることはできないけれど、こうやってドローイングにして時間を留め、Tシャツに刷ることで、人が着てどこかに連れてゆくことができるようになった。踊る丹後の海を色々なところに連れて行ってほしい。

安田敦美

布用インクペン

下絵を描かず、計画もほとんど立てず、ペン一本で一気に線を引いていく。この部分が足りない、ここには要らない。どっちに伸びていく。ここから先は曲線。直線。ほとんどそれくらいの意識しかない頭がカラッポの状態で手だけ動かしていくと勝手に表れてくる絵がある。私には竜かクジラのような生き物のように見える。人によっては何も見えないのかもしれない。目に映った印象を大切にして欲しいので、これが何の絵なのかについては自分の中で1度考えてみてほしい。
直筆の一点物。一応は洗えるはず。この夏は素知らぬ顔で着ようと思う。

▽展覧会ステートメント

「人生のひとコマ」と副題をつけたこの展示企画を、私は、1年前から考えていました。
題材をTシャツにしたのは、被服の役割の一つである「自己の表現」がこの企画の目的を端的に表現できると思ったからです。その人のアイデンティティーや取り巻く環境等、見えるもの見えないものあらゆる要素すべてをひっくるめて、形にしてもらいたいと思いました。
声をかけさせていただいた作家たちは、丹後にゆかりのある、私が普段仲良くさせてもらっている友達やお世話になっている方々です。今回の企画のために、新たに紹介してもらった方もいます。
企画の趣旨をみなさんに話したところ、私がやりたいことをすぐに理解し、快く引き受けてくださいました。私はこの時点で、この企画は成立していると感じました。それは、自分の「人生のひとコマ」をTシャツというキャンバスに落とし込む行為や過程そのものが、人生の「ひとコマ」であると思っているからです。私は、この行為や過程を丁寧にすくい取ることに注力しました。企画者としての私の役割が、そこにあると感じたからです。
制作内容は、作家に一任しました。Tシャツの色、素材、モチーフ、表現方法、見せ方………すべて自由です。「まるで大喜利だね」との声がありました。何を表現してやろうか企んでいる、という表情です。「生みの苦しみがあった」との声もありました。そう語る表情は、何とも清々しく感じられました。制作終了後、「この企画で遊ばせてもらった」「久しぶりにものづくりができて良かった」そう言ってくれる作家もいました。生みの喜びも苦しみも、まるごと遊んでくれたなら、こんなに嬉しいことはありません。
また、作家の写真も撮影しました。制作したTシャツと、本人が映った写真です。撮影シチュエーションは、作家たちと相談しながら考えました。撮影の知識が乏しい私が、何とか絵になるように努力する姿は自分でも滑稽でしたが、それを作品と一緒に展示することに、私はとても意味を感じています。詳しい意図は省きますが、これもやりたかったことの一つです。
「人生のひとコマ」というテーマを与えられた時、きっと誰もが「今の自分」を基準に考えるのではないでしょうか。生きているのは「今」。これまで生きてきて知った楽しかったこと、悲しかったこと、悔しかったこと等の過去の経験から得た一番クリアな思考を持って、新しい何かを生み出す。それはチャレンジであり、未来への問いかけであるようにも感じます。だからなぜか、作品にわくわくするのかもしれません。
この大喜利を、作家とともに向き合うことで、私も少し成長できたように思います。
最後に、この企画に関わってくださったすべての方に感謝いたします。最高の展示になりました。
本当にありがとうございました。

2019.5.25
企画 川口優子

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